「むむ、これは何だ!?」
東京都篠崎。都営新宿線から10分ほど歩いた大通り沿いに何やら人だかりができています。
その人だかりの先には、煙がモクモクと湧き上がる真っ黒なお店。その佇まいは「え、火事!?」と疑ってしまうほど。
「早く119番しないと!」という気持ちはよく分かりますが、とりあえず落ち着きましょう。スーハースーハーと深い深呼吸で我に返ります。
「むむむ?良い香りがするではないですか」
そう。煙の正体は炭で焼いた魚。
今日はそんな連日大行列、ランチどきは2時間待ち、メディアでも話題の弁当屋「鯖の助」の秘密に迫りました。
目次
魚をこよなく愛する男が炭火で焼き上げる“究極の焼き魚弁当”
「僕ひとりで1日に500匹魚を焼きます」
そう語るのは鯖の助店主の川和(かわわ)さん。
メディアで話題の鯖の助は、開店するやいなや長蛇の列ができる超人気店。テイクアウト予約も受けつけているため、注文が入ると同時にひっきりなしに炭火で魚を焼き続けます。
ガスやIHと違い、炭はその日の風の向きや温度湿度によって最適な火力が異なります。魚の脂の状態や大きさによっても火力や焼き加減が一匹一匹異なってくるので、一瞬たりとも魚から目が離せません。
1ヶ月に約1,200匹。年間で約14,400匹の魚を焼き続けること10年の川和さんですが、日々おいしい焼魚を求めて「最高の焼き方」を研究しているのだとか。
風向きや気温などコントロールできない環境下の中で、最高の状態でお客様に焼き魚をお出しするため現状に満足をせずおいしい焼き魚を突き詰める川和さん。その仕事姿からは職人魂が感じられます。
「お客様においしい焼き魚を食べてもらいたい」炭火焼きのノウハウはすべて独学で習得
お客様からも「鯖の助の炭火で焼いた魚を食べると他の焼き魚が食べられなくなるよ」とお声が届くくらい、川和さんの焼き魚はお客様の心を掴んでいます。10年間欠かさず足を運んでいる常連さんもあとを経たないのだとか。
それくらい川和さんが焼く魚は美味しく冷めていてもふっくら。美しい焼き目と香ばしい香りが食欲を掻き立てる一品です。
川和さんに炭火焼きの技を習得された経緯を伺ったところ、「すべて独学。人に教えてもらうのは好きじゃないので(笑)試行錯誤しながら10年間戦い続けてます。僕が魚にこだわるのは、季節によって旬のものがあったり、肉と比べても種類が豊富で奥深かかったりするから。一生をかけて炭火焼きの魚を極めていきたいと思っています」
と、職人らしい回答が返ってきました。
そんな炭火焼き職人の川和さんですが、鯖の助を開業する10年前までは釣り船店を営んでいました。仕事をする中で「もっと魚のおいしさを多くの人に知ってもらいたい」という思いが強まり、炭火焼きに特化したお弁当屋「鯖の助」をおかみさんと一緒に開業されました。
米にもとことんこだわった「魚が主役」のシンプルボリューム弁当
鯖の助のお弁当のこだわりは、メインの魚だけではありません。お米にも職人川和さんの多大なるこだわりがあります。
鯖の助で使用する弁当のお米は、精米して3日以内のものを使用しているのでふっくらつやつや。2種類をブレンドし味に深みを出しています。1日に60kg以上ものお米をガス釜で炊いているそうです。
「腹いっぱい食べてほしい」という川和さんの思いからご飯は普通盛りでもこのボリューム。自慢の白米がぎっしりと入っています。
そして、焼き魚と相性抜群なのが別添えの大根おろし。
大根は毎朝すりおろしているので鮮度抜群です。さっぱり大根おろしが魚の良質な脂とマッチして、サラサラとした食感で食べることができます。
やっと鯖の助さんのお弁当を食べられました。
その場で川和さんが焼いてくれたの魚がお弁当になるので、お弁当の出来上がりを待っている間もワクワクしますね。
お弁当を受け取ったとき「ズシン」と重みを感じたので、見た目以上にボリュームがある!と驚きました。
冷めた状態でいただいたのですが、「え!鯖ってこんなにおいしいの?」と大興奮。なぜ鯖の助さんのお弁当がこんなに人気なのかよく分かります。
冷めていてもふっくらと香ばしい香りが鼻を抜けます。そしてまたまたご飯が進みます。
シンプルなお弁当ですが、大根おろしをかけたり、お漬物と一緒に食べるとあっという間に完食しました。
人生でここまで鯖と向き合っていただいたお弁当は初めてです。原点に戻るとシンプルが一番。炭火焼き職人しか出せない味ですね。
お腹いっぱいです。ご馳走様でした。
一度見たら忘れられない!鯖の助のデザインはおかみさんプロデュース
愛着の湧く鯖の助のキャラクターは、絵本の挿絵なども書いているおかみさんがデザインしたもの。いたるところに鯖をモチーフにした仕掛けがあってユーモアも大切にしています。
ちなみに看板の猫は川和さんの愛猫をモチーフにしたものなんだとか。外観だけでなく細かなところまでストーリーが表されているのが印象的でした。
鯖の助のお弁当はお電話で予約(03-3676-3838)が便利
オープンするや否やひっきりなしに行列ができる鯖の助。その場で川和さんが魚を焼くので、ランチやディナー時は60分待ちもあるのだとか。お急ぎの方は事前にお電話(03-3676-3838)で予約をするとスムーズです。
営業時間
11:00~14:00
17:00~20:00
定休日
日・祝
住所
東京都江戸川区篠崎町6-5-9
篠崎駅から歩いて徒歩10分
URL:https://tabelog.com/tokyo/A1312/A131205/13122671/
電話番号:03-3676-3838