だしソムリエ✖️椎茸祭プロデュース「国産原木しいたけ弁当」の魅力に迫る


飲むだけでホッとした気持ちになれる「だし」

一般的にだしといえば昆布、カツオ、いりこが主流ですよね。
また、料亭でも使われる昆布やカツオだしには少し「高級」なイメージを持つ方も多いと思います。

一方で「椎茸だし」はどんなイメージでしょうか。
正直、カツオや昆布に比べて地味という印象を持ちませんか?

はたまた、椎茸といえばVOGUE GIRL連載の「しいたけ占い」が先に浮かぶ人も多いような、少し地味なきのこや椎茸。

今日はそんな椎茸の知られざる魅力に迫る、原木椎茸のだし屋とだしソムリエが共同で開催する「国産原木乾しいたけを愛でる会 」の様子を独占レポートします。

この記事を見ることで、
✅椎茸について詳しくなれる
✅椎茸のおいしい食べ方をマスターできて家族に喜ばれる
✅椎茸レシピの幅が増えてお料理がもっと楽しくなる


かもしれません。
それでは椎茸の世界にレッツゴー🍄

原木椎茸のだし屋✖️だしソムリエが伝える“原木椎茸”の魅力に迫る

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株式会社椎茸祭代表の竹村(たけむら)さん(写真左)と だしソムリエ講師山根(やまね)さん(写真右)

今回お話を伺ったのは、SDGsの観点から国産原木椎茸の普及を目的として、原木椎茸のだし屋・椎茸の加工品を販売している株式会社椎茸祭(しいたけまつり)代表の竹村さんと、だしソムリエ講師の山根さん。

実際に椎茸を育てている竹村さんと、だしのプロフェッショナルの山根さんによるコラボイベントが、東京都赤坂の『東京農村』にて行われました。

日本産原木椎茸を守りたい!日本の椎茸の魅力を世界に発信!

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株式会社椎茸祭代表の竹村さんと奥様

2017年に株式会社椎茸祭を設立した竹村さん。

元は大手デジタルコンテンツの開発を行う会社でエンジニアとして勤務していた竹村さんですが、台湾人でベジタリアンの奥様と出会ったときに、“同じ食事”を楽しめないことに疑問を感じたそうです。

日本を代表する煮物やお味噌汁に使われているのはかつおのだし。ベジタリアンの方はかつおが使われている食事が食べられません。
肉や魚が食べられない方に食の選択肢を与えたいという思いのもと試行錯誤した結果、出会ったのが椎茸。

とくに、植物性の椎茸のだしは、ベジタリアンやヴィーガンの方でも食べられるので、奥様も喜んでくれました。

日本の素晴らしいだし文化を、もっと多くの人に楽しんでもらい食の選択肢を広げたい。そんな想いから椎茸の会社を設立したのだとか。

実は、椎茸は菌であり子実体(しじつたい)で、植物ではなく甲殻類に近い構造をしています。キノコの細胞壁はチキン質なのでカニやエビの存在に近く、魚介のようなおいしい出汁を取ることができるのです。

「これぞ料亭の味」だしソムリエ直伝!しいたけのだしの取り方を伝授

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今回はだしソムリエの山根さんに、家庭でもできる、乾し椎茸のおいしい出汁の取り方を伺いました。

🍄Step1:
水温5度の冷蔵庫で水戻しをします。
水戻しをすることで、うまみ成分(グアニル酸)の元であるリボ核酸(RNA)が増えます。

🍄Step2:
冷蔵庫から水戻しした乾しいたけと、だし汁を取り出し強火で一気に60度〜80度で沸騰させます。熱を加えることでリボ核酸が分解されて、昆布やかつお節の成分と並んで「三大うまみ成分」と呼ばれるグアニル酸が出てきます。
※ただし80度以上で沸騰させてしまうと酵素が死んでしまうので沸騰させすぎには注意してください。

🍄Step3:
20分程度60度〜70度をキープして弱火で沸騰させてください。加熱することで旨み成分のグアニル酸が増えていきます。

🍄Step4:
最後に一度沸騰させて完成です。
沸騰させることで椎茸の匂いが軽減されるので、椎茸の香りが苦手な方でもおいしくいただくことができます。

この4stepで作ったお吸いものはまさに絶品。「くぅ〜落ち着く」と思わず声が出てしまうほどのおいしさ。
隠し味に塩と酒、香り漬け程度に醤油を入れたシンプルな味付けですがまさに料亭の味。日本の食文化の美しさとおいしさを噛み締める1杯です。

意外と知られていない!2つの椎茸の栽培方法

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画像:https://www.shiitake-matsuri.com/

椎茸の栽培方法は「原木栽培」と「菌床栽培」の2つあることをご存知でしたでしょうか?

原木栽培(げんぼくさいばい)とは、先ほどお話した自然界で椎茸が生えるのと同じようなやり方で栽培する方法です。

クヌギやコナラの樹木に椎茸菌を植えて森林内に伏せ込みます。そうすると、椎茸菌は原木内に菌糸をのばし「ぼた木」となり、秋から春にかけて椎茸が自然に発生するのです。

一方で、菌床栽培(きんしょうさいばい)とは、ハウスなどの施設栽培のことを言います。
人工的に温度や湿度をコントロールしているため栽培にかかる日数は3〜5ヶ月。季節に関係なく1年中収穫されています。スーパーで販売している外国産の乾し椎茸や生椎茸の多くは菌床栽培です。

食べるだけでSDGs。原木乾しいたけは環境に優しい食べ物

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原木しいたけはどこで作られているかご存知でしょうか?

実は日本で作られている原木しいたけは、原木栽培と言われる自然の森林の中で、自然の空気や木漏れ日を受けて1年半から2年の歳月をかけて育てられます。

原木栽培は里山の木を程よく手入れしながら木を切って行くので 原木栽培を行うと自ずと山が若返ります。そして、自然の循環が生まれるので生物多様性にもつながり SDGs的な観点からも良いということになります。

つまり、乾し椎茸の栽培には豊かな森林が不可欠。
栽培できる環境を守ることは豊かな自然を守ることにつながっているのです。

国産原木しいたけが主役!世界でひとつだけの“しいたけ弁当”

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今回は、環境に優しい国産原木しいたけを使った、だしソムリエ山根さんお手製のしいたけ弁当をいただきました。最初にお弁当のお品書きを紹介します。

🍄甘酸っぱいおいしさ!うま味たっぷりピクルス
椎茸に大根とパプリカを加えてリンゴ酢と塩胡椒、最後にオリーブオイルをひとまわし

🍄椎茸は油との相性味抜群!長ネギと椎茸とシラスのアヒージョ

エクストラバージンオイルとニンニクのパンチがアクセントのアヒージョ

🍄和風椎茸ラタトゥイユ
野菜とともに乾しいたけを漬けた米麹と塩で作る福島の漬物

🍄発酵とも仲良し!椎茸の三五八漬け
米麹と塩で作る福島の漬物。野菜とともに乾ししいたけを漬けた一品

🍄肉なしで満足感をゲット!乾ししいたけカツ
トンカツを揚げる要領で乾しいたけをカツにしました。下味がついているのでそのままお楽しみいただけます

🍄肉巻きチーズしいたけ
乾しいたけに豆乳で作ったチーズを入れて豚バラで巻きました。唯一のお肉料理

🍄田舎煮
乾しいたけを醤油とみりんで炊いた昔ながらの鉄板メニュー

🍄炊き込みごはん
どんこと香信を織り交ぜて、にんじん、れんこん、油揚げ、醤油とみりんと酒で味付け

だしソムリエ山根さんのお手製!しいたけ弁当を実食

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写真右:だしソムリエ山根さん
くるめし弁当:野崎
くるめし弁当:野崎

椎茸が有名な大分県出身ですが、ここまで椎茸を食べたのは初めてです。
そして、しいたけのレパートリーの多さに感動。


まるでお肉やメインを食べているような感覚。一つひとつのおかずを楽しめました。
味付けひとつで椎茸の魅力がここまで引き出されるとは驚きですね。

例えるなら椎茸のフルコース。
野菜がたっぷりなので食べても罪悪感がないのと、すべて手作りなのでほっこりと温かみを感じました。

中でもびっくりしたのが「乾ししいたけカツ」。
お肉と間違えるくらい肉厚な椎茸はふっくらジューシー。油との相性も抜群です。下味がしっかりとついているので、お弁当に入っていたらうれしい一品ですね。

パンチの効いたしいたけアヒージョから、さっぱりしいたけピクルスまでいろんな後味の椎茸料理が楽しめとても幸せです。

椎茸を心から堪能できるお弁当でした。ご馳走さまです。

山の恵みをいただきます!大葉が爽やか!しいたけ寿司

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お弁当だけでなく「お手製しいたけ寿司」もいただきました。上にのっているのはもちろん椎茸。椎茸が主役のお寿司です。酢飯と大葉と椎茸がほどよくマッチして爽やかな口当たり。
椎茸にしっかりと味がついているので大満足。ヴィーガンの方も安心して食べられる一品です。

椎茸を食べるなら「国産原木しいたけ」がおすすめ

スーパーで椎茸を買うときに注意して見ていただきたいのが椎茸の育て方。よく見ると「原木しいたけ」または「菌床栽培」と表示があります。

ここで選んでほしいのが「原木しいたけ」。

繰り返しになりますが原木しいたけは、森林を守ることに繋がります。
そして原木しいたけは栄養剤などを介さず、山で育った木の栄養だけで育っており「山の栄養をまるごと食べられる」珍しい作物。

だから、大切な家族やご自身の身体にもやさしく、身体の調子を整える効果も期待できます。

うまみ成分たっぷりのしいたけのすまし汁や味噌汁は、忙しい現代人に束の間の安らぎのひとときを与えてくれることでしょう。

食物繊維、カリウム、鉄分、マグネシウムなど、大地の恵みと栄養がたっぷりと詰まったしいたけを毎日の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?

▼お話を伺ったのは株式会社椎茸祭様とだしソムリエの山根 正充様

🍄株式会社椎茸祭

https://www.shiitake-matsuri.com/


👨‍🍳だしソムリエ 山根 正充/合同会社くらしとデザイン舎

kurashi-design.co.jp