「第1回 ⽇本ロケ弁⼤賞」で⾦賞を受賞した、『海苔弁いちのや』。お弁当事業を開始したのは2020年7⽉と、コロナ禍で飲⾷業界がかつてない苦境に⽴たされていた時期——。
そんな状況下で居酒屋やラーメン店など、これまで累計2,500店舗超えの飲⾷店プロデュースを⼿掛けてきた三浦さんは『海苔弁いちのや』を⽴ち上げました。なぜ「海苔弁」に挑んだのか。
今回は、『海苔弁いちのや』が⽴ち上がってから⽇本ロケ弁⼤賞「⾦賞」を受賞するまでの軌跡、お弁当づくりへの情熱やこだわりを代表の三浦さんに伺いました。
目次
コロナの逆境とひらめきから⽣まれた、「海苔弁」事業
『海苔弁いちのや』が誕生したのは、コロナで外食産業が大打撃を受けていた時期でした。三浦さんがプロデュースしてきた数々の飲食店も例外ではありません。「従業員を守りたい」という強い想いが、新たな挑戦を生み出す原動力となったのです。
「飲食店が苦しい状況の中、アルバイトも含めた従業員たちを路頭に迷わせたくなかったんです。そこで新たな柱となる事業、新店舗を検討しはじめました。その時大切にしていた考え方は、誰でもつくりやすくおいしいものは何かということです」

新たな店舗の候補地として選ばれた、靖国神社の鳥居からほど近い物件に三浦さんが訪れ、信号の向こうから店舗を見つめていたとき、ふと頭に浮かんだのが、“海苔弁”でした。
「物件を見たとき、漢字三文字が暖簾に並んでいる光景が頭に浮かんだのです。靖国神社の⿃居の前で、⽩い暖簾が⾵にはためている様⼦が⾒えて、『これは海苔弁だ。海苔弁しかない!』とひらめきましたね」
一新された内装、掲げた大きな暖簾が「海苔弁屋」としての存在感を際立たせます。ここから『海苔弁いちのや』の物語が始まりました。
一人ひとりにポスティング。地元のお客様から徐々にロケ弁として広がる
「オープン前は、従業員みんなで近所にチラシをポスティングしました。自分たちの手で、配れる範囲の方々に直接届ければ、お客さまもきっと足を運んでくれるはずだと」
そして迎えたオープン当日。努力が実を結び、店の前には50人近くの行列ができました。想像以上の反響に、幸先の良いスタートを切ることができたといいます。
地道な営業活動を続けた結果、店を始めた当初の予想を大きく上回る勢いで成長していきました。
そんな中、テレビ局から初めてロケ弁の依頼が舞い込みます。最初の注文数は200食。配送経験がなかったものの「まずはやってみよう」と挑戦しました。
これが大きな転機となり、瞬く間にテレビ局や制作会社の間で『海苔弁いちのや』の評判が広がっていきます。
「冷めてもおいしいのはもちろん、働く皆さんが重視するボリューム感はいちのやの自慢です。お弁当の重量は約530gと、とっても食べ応えがあるんです」
そして2024年、日々の積み重ねが実を結び、日本ロケ弁大賞 「金賞」を受賞しました。
「受賞をきっかけにいちのやを知ってくださる方もいて、より多くの方に自慢の海苔弁と笑顔を届けられる、これほど幸せなことはありませんでした。従業員たちが自分たちの働く場所に誇りを持ってくれたのも嬉しかったです」

『いちのや』のロケ弁は働く人々のエネルギー源として、今日も多くの現場で愛され、笑顔を生み出し続けています。
子どもたちにも、お弁当で幸せを。1,230個を無償配布へ
『いちのや』は、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。子育て家庭に食品や日用品を届けながら親子を見守る「こども宅食」と連携し、子どもたちやその家族に無償で1,230個のお弁当を配布。この取り組みは東京・文京区長から表彰されるなど、高く評価されています。
「実は私には両親がおらず、家でおいしいご飯を食べた記憶がほとんどありません。だからこそ、『おかわり!』と言って笑顔でご飯を食べられることが、私にとっての幸せでした。その幸せを、お弁当を通じて子どもたちにも届けたかったんです」

こども宅食だけでなく、母の日にはメッセージカードと肩たたき券を同封した特別なお弁当も販売。心温まるサプライズに、お客様からも温かい声が寄せられました。
日本全国から探しまわった、食材選びに全力を注いだ究極の海苔弁
「第1回 日本ロケ弁大賞」で「金賞」を受賞した『名物海苔弁』(税込1,480円)。

「炊きたてのご飯に海苔を乗せればおいしいのは当たり前。でも、お客さまはお弁当を調理後すぐに食べるわけではないので、冷めてもおいしい海苔弁をつくりたかったんです」『いちのや』の海苔弁に使われるお米は、冷めてもおいしさが保てる品種を何度も試作をして選びぬいたものなのだとか。
もともと海苔が好きだった三浦さんが営むお店だけに、海苔へのこだわりも格別です。何十種類もの海苔を試作して辿りついたのは、「有明産」の海苔でした。冷めても香りが立ち、ご飯にしっとりと馴染むのに、風味が強すぎることはなく、食感もしっかりと残る。まさに、いちのやが追求する“理想の海苔”だったのです。
そして、蓋を開けた瞬間に“ドン”と存在感を放つ、「ちくわの磯辺揚げ」。全国のちくわ屋に何度も問い合わせては断られる中、18センチの特注ちくわを製作してくれる職人と出会えたことで、『いちのや』の名物ちくわが誕生しました。
海苔弁のおともに欠かせない漬物選びにも妥協はありません。三浦さんは、はるばる新潟まで足を運び、地元の老舗漬物屋を訪問。そこで出会った漬物の味に心を奪われ、その場で仕入れを決めました。野沢菜の漬物は、ほどよい酸味と塩気のバランスが絶妙で、ご飯と海苔の風味をさらに引き立てます。
さらには、食材だけでなく、お弁当の容器にも特別なこだわりがあります。蓋を開けた瞬間、食材へのこだわりが書かれた“おしながき”が添えられているのです。

「結婚式やコース料理には必ず“おしながき”がありますよね。あれを見るだけで、なんだかおいしさがかきたてられる感じがしませんか?お弁当でも文字を通してワクワクとおいしさを伝えたかったんです」
見た目や味はもちろんのこと、言葉でもおいしさを届ける。それが、いちのや流のおもてなし。
シンプルだからこそ、ごまかしが効かない海苔弁。全国から食材を求め、選びぬき、容器にまで妥協を許さない。そんな徹底的な情熱を注ぎ、『いちのや』は唯一無二のお弁当をつくり上げました。
最高の海苔弁で笑顔を届ける。いちのやの終わらない挑戦
「私たちは、本当にこだわってお弁当をつくっています。大げさに聞こえるかもしれませんが、毎日、毎月、そして季節ごとに少しずつでも、おいしさをアップデートできるように地道に改善を積み重ねています」

「もっとおいしいお弁当を届ける」という想いを胸に、今日も『いちのや』は歩みを止めません。目指すのは、ただ売れるものではなく、「お客さまが笑顔になる」最高の海苔弁です。
三浦さんの想いと、お弁当への飽くなき探求心。それこそが、『いちのや』の“おいしさ”の原点なのでしょう。
『海苔弁いちのや』について
海苔弁いちのやは、社長自ら食材の選定をするため全国各地に足を運び“本当においしい”食材のみを一箱に詰め込んだ珠玉の海苔弁が自慢。海苔弁の概念を覆すおいしさを。そして、日々アップデートし続けるおいしさをぜひご体感ください。