「トントントン…」
「パチッパチッ」
「ジュージュー」
何やら美味しそうな料理の音が聞こえます。ここは、神奈川県、元住吉。
国道沿いにひっそりと佇む「小さな和食の店 葉隠 」の外観は、初めての方だと少し入りづらい雰囲気。
ですが、暖簾の先には居心地の良い家庭的な空間が待っています。
そーっと店内を覗くと、「いらっしゃいませ!」店主が笑顔で出迎えてくれました。
今回は、神奈川県元住吉で「小さな和食の店 葉隠」を経営する出口 淳一(デグチ ジュンイチ)さんに、お弁当へのこだわりや、お弁当への想いについて語ってもらいました。
目次
和食の世界に入って30年
初めまして、出口です。私が料理に出会ったのは、今から数十年前、高校生の時。
居酒屋でアルバイトをしたのがスタート。初めての社会人経験だったので、全てが新鮮でした。
お客さんが目の前で喜んでくれる姿を見た時は、「料理の力」ってすごい。そのように感じたのを覚えていますね。
和食の世界に飛び込んだ1989年
「よし、俺は料理人になる」そう決心したのは平成元年。
以前アルバイトをしていた居酒屋が、和食ということもあり、和食の道を選択。
「お客さんの顔を見ながら良いものを提供したい!」そのような想いから、生粋の日本料理店に弟子入りしました。
六畳一間に男3人住み込みで働いた下積み時代
下積みの当時は、プライバシーや労働基準法なんて重視されない時代でした。
朝から晩まで厨房に立ち、和食のイロハを叩き込まれました。
旅館の和食を担当していた時は、朝食があるので、住み込みです。
夜が明けた早朝から仕込みを始め、朝食の提供、その後は料理の修行。
夕食の仕込み調理片付けと、寝る時間以外はずっと、料理のことを考えていました。
大人の夜の街で和食の修行
和食の世界と言うのは、親方がヘッドハンティングされたら弟子もついていくという文化があります。
私の親方も例外ではなく、いわゆる高級店でたくさん修行をさせてもらいました。
赤坂の「菊良亭」
銀座の「朝川」
横須賀の「小松」
など、平均客単価が1万円〜3万円のいわゆる接待や会食などのシーンで利用するお店を10店舗以上渡り歩きました。高級店でフグや天ぷの修行をしたからこそ、今の「小さな和食の店 葉隠」があると思います。
2008年に日本料理 葉隠をオープン
2008年に横浜の鴨居(かもい)にて、日本料理 葉隠(はがくれ)を開店。
「葉隠ってどんな由来ですか?」よくお客さんに聞かれるのですが、江戸時代に書かれた、「葉隠」という書物から由来しています。
その中に「武士道とは、死ぬことと見つけたり」という内容が記されています
この言葉を聞いた時、「私も料理に命をかけたい。この道一本でやっていく」と自分の中で覚悟が決まりました。
一人の男そして和食の料理人として独立
長年の修行の成果もあり日本料理 葉隠はお陰様で大繁盛。
やはり、お客さんの目の前で調理をして、美味しいとその場で言ってもらえる瞬間が、「料理人をやって良かったな」と心から思えますね。
鴨居の店は10年営業し、幕を閉じました。
人生の節目となるシーンでも和食を
鴨居のお店を畳んでからは、お弁当にも力を入れたいと想い、法要料理の調理をしているところで弁当の真髄を学びました。
目の前のお客様に出す料理とは異なり、冷めてた状態で召し上がっていただくので、天ぷらの調理時間や、米の炊き方など一から研究しました。
え、弁当が売れない!?初めて味わった挫折
その当時のお弁当は、1折5,000円という価格設定。
味や食材には自信があったので、お客さんに選んでもらえるだろうと、思っていました。
ですが、高いお弁当を利用するシーンは限られており、思った以上にヒットしません。
「なんで売れないんだろう。このクオリティだったら絶対に満足してもらえるのに…」
モヤモヤと葛藤が続きましたね。それに私もこの道が長いので、プライドもありました。
ですが、お客様の目線に立って考えてみたとき、「高級な弁当よりも手頃な弁当の方が需要があるんじゃないか」
と考え方をガラリと変えました。
小料理はがくれのコンセプトは本格和食を手頃な値段
現在の元住吉にお店を移転してからは、お客さんの目線に合わせて、1,000円〜2,000円の価格帯の和食弁当の商品開発をしました。
研究を重ねに重ね、冷めても美味しい天ぷらをお弁当用に改良しました。
これは、私だけにしかできない技だと自信があります。
お店で食べる味に極限まで近づけるために、食材の選び方にもこだわりましたね。
一押しのお弁当は、サーロインステーキ重と彩々懐石御膳
中でも私のおすすめはサーロインステーキが入ったお弁当。
サーロインステーキ重に和牛すき焼き、マグロの照焼といった華やかな食材を贅沢に使用しています。
サーロインステーキは、冷めても柔らかく召し上がっていただけるように、カットや焼き加減にこだわり、煮物は薄味ながらも、素材の味を生かす優しい味付けに。
全て私の手作りで作っているので、「わ、綺麗。食べるのがもったいない」とお客様からも嬉しい言葉をいただいています。
お肉が好きな方にも、バランスよく食べたい方にも、喜んでいただけるように、幹事さんが頼みやすく、お客様に喜ばれるお弁当を意識しました。
小料理はがくれは予想以上の大ヒット
普段使いできるお弁当を作成してからは、多くのお客様にご利用いただけるようになりました。
ご飯を入れるのは妻がやっていますが、それ以外の仕込み、調理、盛り付けは全て私がやっています。
最初の方は、想定以上のオーダーに焦りましたね。今は1 日に200食まで対応しています。
ありがたいことに、リピートのご注文も多数いただいています。
リピーター様には、飽きないように季節の野菜に変更するなど、和食ならではのおもてなしを大切にしています。
仕込みは朝の4時からスタート
「チュンチュン…」
夜明け前の朝4時。私の1日は早朝からスタート。
料理の基本である仕込みからおこないます。
はがくれでは、既製品は使用せず、すべて手作りで作っているので仕込みは欠かせません。
お客様にはなるべく新鮮なものを召し上がっていただきたいので、お料理は、配達をする直前に仕上げます。
基本に忠実に
「料理は目から」という言葉があるように、盛り付けも手を抜きません。
一人で200食を作るのは大変ですが、長年の経験があるからこそできるんじゃないかと思っています。
どんな時でも手を抜かず、基本を疎かにせずお弁当を作っています。
お客さんに選んでもらってなんぼなので、常にお客様のことを考えていますね。
お店の営業が再開したら、自慢の食器でおもてなし
今は、コロナの影響で店内飲食は行っていませんが、コロナ後は、お店の再開も視野に入れています。
実は私ちょっと変わった食器を集めるのが好きで、茨城の陶器市に出向いて食器をコレクションしています。
お気に入りの食器に料理を盛り付けると新しい世界が見えたような気持ちになり、お客さん以上に私が楽しんでいます。
小料理はがくれのご予約はくるめし弁当で
「小料理はがくれ」のお弁当は、会議、身内での集まり、差し入れなど、おもてなしのシーンでご利用いただいてます。
「集まってくれた方に、美味しい和食を食べて喜んでほしい。限られた予算でグルメな上司を満足させたい」そのような外せない時こそオススメしたい、間違いない和食弁当です。
▼ご注文・ご予約はコチラ
https://www.kurumesi-bentou.com/hagakure/