江戸前天丼の名店として名高い『日本橋 天丼 金子半之助』は、東京・日本橋に総本店を構える天丼専門店。創業者の祖父で、和食界の重鎮である金子半之助の“江戸前の粋”を受け継ぎ、その精神は今も一杯一杯に息づいています。
店舗での営業のほか、現在はお弁当事業も好調。厳選されたごま油で揚げた天ぷらと、秘伝の丼たれが生み出す深い味わいはお弁当でも堪能でき、伝統の味を守りながらも、手頃な価格で本格的な味を楽しめることから多くのファンに愛されています。
今回は、『金子半之助』を運営するオイシーズ株式会社 国内事業部 中食部門担当部長の越智亮太さんに、お弁当づくりへのこだわりや天丼弁当の未来、新しく始まった法人向けデリバリーについてたっぷりとお伺いしました。
目次
原点は湯島の仕出し弁当。『金子半之助』の軌跡

『金子半之助』の歴史は2007年、東京・湯島の仕出し弁当屋から始まりました。
その後、外食ブランドとして日本橋に天丼専門店をオープン。行列の絶えない名店として多くの人に知られるようになり、「江戸前天丼」の代名詞的存在に。
外食業態での人気を背景に、2019年からは中食事業にも本格参入。『日本橋 天丼 天むす 金子半之助』の屋号で、現在では駅ナカや百貨店を中心に店舗を拡大し、手軽に楽しめる“お弁当の金子半之助”としても多くのファンを獲得しています。
そんな『金子半之助』は2025年5月、法人向けのデリバリー事業をスタート。「短いランチタイムに、お弁当受け取りのために店舗で並ぶのは難しい…」「会議のお弁当として配達してもらえたらうれしい」。
店舗に日々、寄せられていたお客様の声がサービス開始のきっかけでした。
「これまでは店頭でお弁当を受け取っていただいていましたが、デリバリーがあれば、忙しくて店舗まで足を運べない方にも楽しんでいただけると思いました」と越智さんは語ります。
こうして誕生した法人向けのデリバリー事業は、多様なビジネスシーンでも本格天丼を店舗の味そのままに味わえると好評を博しています。
外食産業での知見を活かし“冷めてもおいしいお弁当”を実現

18歳から外食業界でキャリアを積んできた越智さん。オイシーズの中食部門を担当して3年目を迎えます。
「外食はお客様からの“おいしい”を目の前で感じられる。一方、中食は“また買いに来てくれる”ことでお客様からの味への評価がわかります。確かな品質、おいしさを安定してお届けできるよう、衛生環境や安全性へのこだわりも欠かせません」
その想いのもと、調理方法や秘伝の丼たれの分量といった『金子半之助』の味わいを決定する要素を徹底的に追求し、「冷めてもおいしい天丼」を実現しました。
お弁当を開けた瞬間の感動を大切に、ご飯が見えないほど豪快に天ぷらを盛りつける——。
細部にまで宿る「食べた人を喜ばせよう」と願う“粋”な姿勢が、『金子半之助』らしさを生み出しています。
おいしさと香りを両立する門外不出の油切りバランス

この日、筆者がいただいたのは、くるめし弁当で限定販売中のくるめしプレミアム弁当・『半之助特製くるめし天丼弁当』(税込1,080円)です。フタを開けた瞬間、ふわりと広がるごま油の香ばしい香りに一気に食欲が刺激されました。
天ぷらなど、たくさんの油を使用するお弁当の難しさは時間が経つと油っぽくなること。この課題を克服するため、『金子半之助』では、油切りと香りのバランスを徹底的に追求しました。
「油っぽさをなくそうと油を切りすぎると、せっかく風味づけにと使ったごま油の香りが飛んでしまう…。かといって残しすぎるとベタつきます。香りは残しつつも油が重たくなりすぎない、その絶妙な加減を見極めています」
こだわりの油ちょうで、香ばしく軽やかな味わいを実現。冷めても天ぷらの衣がサクッと香ばしい理由がここにありました。
『半之助特製くるめし天丼弁当』の魅力は香りもさることながら、なんといってもその天ぷらにあります。ご飯が見えないほど隙間なく美しく盛られた天ぷらには思わずほれぼれ。
この価格でぷりっぷりの海老が3本も入っているのは驚きです。イカやいんげんなど、職人の技で丁寧に揚げられた食材はどれも絶妙な食感と香りで、まさに“贅沢な一箱”と呼べる一品。
見た目以上にボリュームもあり、満足感たっぷり。記憶にまで残る、特別な一食でした。
職人技が光る、天ぷらの“花を咲かせる”技法

天丼弁当をつくるうえでもっとも難しいとされるのが、天ぷらを美しく揚げる工程。越智さんは“花を咲かせる”という表現で、その繊細な職人技を語ります。
「花が咲くように衣を立たせることで、見た目も華やかに、たれの絡みも良くなります」
天丼弁当の要とも呼べるこの作業は社内で地道に練習を重ね、技術を習得したスタッフが担当。一人ひとりの努力が、『金子半之助』の安定したおいしさを支えています。
金子半之助の遺した「秘伝の丼たれ」も、半之助ブランドの味の決め手。越智さんはその特徴をこう語ります。
「天丼のたれなのに、後味がさっぱりしている。最後まで飽きずに食べられます」
さらに、別添えの「醍醐味(七味)」で味変が楽しめるのもポイント。実際に、「醍醐味だけ販売してほしい」という声も多く寄せられており、2023年に数量限定で販売したもののすぐに売り切れてしまい、現在、再販を検討中とのことです。
王道の江戸前天丼と選べる天むすの魅力

看板商品『江戸前天丼弁当』(税込1,800円)は、身厚な穴子を贅沢に使った逸品。大きな穴子の仕入れ先は創業当時から変わらず、安定した鮮度と品質を維持しています。
一方、手軽に食べられる『天むす6個セット』(税込1,500円)も人気上昇中。
天むす(白)はペッパーの味がアクセントになったさっぱりとした味わい、天むす(黒)は秘伝のたれとガリの甘辛い風味が楽しめ、味に個性が光ります。
また、『煮穴子と海老天重』(税込1,750円)は「天ぷら以外のおかずがメインのお弁当も食べたい」という声から誕生した一品。やさしい味付けの煮穴子が天ぷらと調和し、幅広い世代に支持されています。
天丼は店で食べるもの?常識を変え天丼弁当を新しい文化に

越智さんは『金子半之助』が目指す今後の展望についてこう語ります。
「天丼=外食で食べるもの、というイメージを超えて、“天丼弁当”というジャンルを広めながら、新しい日本の食文化としての立ち位置を確立していきたいです。仕出し弁当屋という原点も活かし、ハレの日には『金子半之助』の天丼弁当が選ばれる。そんなお弁当をつくり続けたいですね」
お店の味をそのままに、いつでもどこでも“粋な天丼”を楽しめる『金子半之助』のお弁当。その一つひとつに込められた職人の技と想いが、多くのファンを惹きつけています。
「行列のできる天丼」を好きな時間に好きな場所で味わえる幸せ。『金子半之助』の挑戦は、外食と中食の垣根を越え、“食の新しい価値体験”を広げ続けています。
『日本橋 天丼 天むす 金子半之助』のご注文・ご予約はくるめしで

・会議終わり、満足感あるお弁当を食べたい!
・取引先・ゲストへのおもてなしに、印象に残るお弁当を選びたい
・社内イベントや研修で特別感のある食事を楽しみたい
このようなシチュエーションで『日本橋 天丼 天むす 金子半之助』のお弁当は大活躍です。ぜひ、一度ご賞味ください。
▼くるめし弁当のご注文・ご予約はこちら
https://www.kurumesi-bentou.com/kaneko_hannosuke/
『日本橋 天丼 金子半之助 日本橋総本店』店舗情報
本店住所:東京都中央区日本橋室町1-11-15
交通手段:東京メトロ銀座線・半蔵門線三越前駅A1出口から徒歩約1分
営業時間:平日:11:00〜22:00/土日祝:10:00〜21:00
東京、神奈川、埼玉の百貨店や駅構内にある実店舗では店舗限定販売のメニューも楽しめます。期間限定での催事も随時開催。
詳しくは、ホームページをご確認ください。
https://kaneko-hannosuke.com/shop/
『日本橋 天丼 金子半之助 築地本店』店舗情報
築地本店住所:東京都中央区築地2-15-4
交通手段:地下鉄日比谷線築地駅2番出口徒歩2分。東銀座5番出口徒歩4分。
営業時間:平日:10:00~15:00・17:00~21:00/土日祝:10:00~21:00
※2025年12月15日(月)より平日のみ11:00オープンとなります。
築地本店限定でご予約を受け付けています。お時間に余裕のない方は予約サービスをぜひご利用ください。
◼️予約システム 概要
導入店舗:日本橋 天丼 金子半之助 築地本店
店舗所在地:東京都中央区築地2-15-4
対応言語:日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、スペイン語など22言語
予約締め切り:ご予約日前日の12:00まで
※ご予約は、店舗2階のテーブル席、コース料理のご提供になります。
詳しくは、日本橋天丼 金子半之助 築地本店のご予約ページをご確認ください。
https://www.tablecheck.com/ja/kaneko-hannosuke-tsukiji/reserve/message