香り立つ炭火、広がる感動。ひとくちでトリコになる『三代目千代谷』のお弁当

東京で人気を集めるお弁当店『三代目千代谷』。実は創業からわずか4年ほどと、業界歴は浅いながらも「第2回 日本ロケ弁大賞」で金賞を受賞し、一気に注目を浴びる存在となりました。

『三代目千代谷』のお弁当はすべて手づくり。ひとくち食べるだけで疲れた心と身体がほっとするような優しさと、「もうひと踏ん張り頑張ろう!」と思えるエネルギーをあわせ持つ、唯一無二のお弁当です。

そんな『三代目千代谷』の最大の特徴は、定番の味に加えた“ひと手間”なんだとか。今回は、店主の浅井さんにお店の歴史やお弁当への想い、そして金賞を受賞した『鶏の竜田揚げ弁当』のこだわりについて伺いました。

元フレンチシェフが手掛ける“心を掴む”一箱

画像

――ふたを開けた瞬間、炭火の香りがふわりと立ちのぼる。
目の前に広がるのは、艶やかに輝く白いご飯、美しく引かれた黒ごまの6本線。色とりどりの8種の副菜、そして堂々たる存在感を放つ鶏の竜田揚げ。
一目見た瞬間に 「こういうお弁当が食べたかった…!」 と、思わず呟きたくなる圧倒的なビジュアルと完成度。仕事でへとへとに疲れた心と身体をやさしく解きほぐし、もうひと頑張りする力を与えてくれる“魔法の一箱”です。
そんなお弁当を手掛けるのが、創業4年目にして業界で注目を集める『三代目千代谷』。
「お弁当でテンションを上げてもらえる瞬間、それが一番嬉しいんです」
元フレンチシェフで、『三代目千代谷』店主の浅井さんがにこやかな表情で話します。

フレンチ・居酒屋・ファストフード…食の掛け合わせがお弁当に

画像

浅井さんが料理の道を志したのは、高校生の頃。最初のきっかけは、ピザ屋でのアルバイトでした。仲間と笑い合いながら働くその時間がとても楽しく、「将来もこんな雰囲気の中で仕事ができたらいいな」と思ったのが始まりだといいます。 そんな時、テレビで観たシェフたちの姿に心を奪われました。真剣なまなざしで料理に向き合う彼らは、とにかくかっこよく映り「自分もああなりたい!」と憧れを抱いた浅井さんは、迷わずレストランで修行する道を選びます。
華やかな盛り付け、繊細なソース作り、そして一瞬の判断が命となる火入れ。フレンチの厳しい現場で積み上げた基礎は、今も浅井さんの料理の芯として生き続けています。
その後、飲食事業を幅広く展開する株式会社CHIYOに入社。居酒屋、ハンバーガー店、うどん屋……気づけば実に多彩な業態を経験してきました。
「気づけば何でもやってましたね。でも、不思議とその全部が今に活きてるんです」
フレンチで培った技法に、居酒屋の親しみやすさを掛け合わせ、ファストフード店で学んだスピード感を弁当づくりに取り入れる。浅井さんの手から生まれるお弁当は、その“経験の積み重ね”が見事に調和し、一つの完成形となっていました。

ボリューム満点のお弁当に込められた、緻密な設計と妥協のない試作

画像

「第2回 日本ロケ弁大賞」で数ある商品の中から選ばれたのが『鶏の竜田揚げ弁当』(税込1,180円)。みごと金賞を受賞し、一躍話題となりました。
ボリュームも迫力も満点なこのお弁当。ひときわ目立つのが鶏の竜田揚げです。ゴロっと大ぶりな竜田揚げはジューシーで柔らかく、噛めば噛むほど旨味が広がります。冷めてもおいしく食べられる工夫が施されており、現場で食べる“お弁当”として理想的な仕上がりです。
「若い方でもお腹いっぱいになるように、しっかりボリュームを持たせています。副菜も多くて食べ飽きないのが特徴です」
お客様の顔を思い浮かべながら語る浅井さん。その背景には緻密な設計と妥協のない試作の積み重ねがありました。

炭火でじっくり焼いたおかずこそが“魔法のスパイス”

画像

『三代目千代谷』を語るうえで欠かせないのが「炭火」。
「お弁当のふたを開けたときに、香りごと楽しんでほしい」ーーそんな想いで導入した炭火の焼き台。鶏も魚も、炭火で焼くことで旨味が凝縮し、香ばしさがプラスされます。
調理だけでなく、清掃にも大変な手間がかかる焼き台ですが、炭火を選ぶ理由はただひとつ。食べる人の“感動”のためです。
ロケ現場でお弁当のふたを開けた瞬間に広がるあの香りは、現場の空気を一変させる“魔法のスパイス”だと浅井さんは言います。
食欲を刺激する香りだけでなく、焦げ目や焼き色で見た目からもおいしさを伝えられる炭火焼き。くわえて、炭は高温で安定した遠赤外線を放出するため、表面をパリッと焼きつつ、内側までじんわり熱を届け、ジューシーに仕上げてくれるのも魅力です。

画像

金賞を受賞した『鶏の竜田揚げ弁当』(税込1,180円)はもちろん、鯖をメインにした『鯖の塩焼き弁当』(税込1,180円)や、焼肉をメインにした『焼肉弁当』(税込1,180円)などすべてのお弁当で炭火焼を採用しており、素材の魅力を最大限に引き出す工夫がなされています。

副菜8種に込められた、それぞれの“物語”

画像

お弁当の楽しみは主菜だけではありません。三代目千代谷の副菜は、一つひとつに“小さな物語”があります。
紫キャベツのコールスローは、フレンチ出身の浅井さんらしい色彩感覚がキラリと輝く一品。鮮やかな紫が差し込まれることで、全体が一気に華やぎます。
小松菜のナムルには、生姜をひとさじ。ほんのり効かせるだけで、青菜に爽やかな香りが加わり、箸休め以上の存在感を放ちます。
きんぴらごぼうには明太子を。「最初は意外な組み合わせに思うかもしれません。でも、ご飯と一緒に食べてみると驚くほど相性がいいんです」そう語る浅井さんの表情は少年のように楽しげな印象でした。
鶏のつくねには大葉を練り込み、食感の中に爽やかな香りを仕込みます。コロッケはじゃがいもと豚肉でシンプルに――「誰もが“あぁ、これこれ!”って思える味にしたかったんです」と話します。
さらに、専用の機械で丁寧に巻かれるだし巻き卵や、思わず「これだけでも買いたい!」と思わされるマカロニサラダまで、ひとつも“おまけ”ではありません。
副菜は脇役じゃなく、それぞれが主役級の存在感を持っていて、最後のひとくちまで飽きさせないという想いが伝わってきました。

お弁当を通して“生きる活力”を生み出したい

画像

「第2回 日本ロケ弁大賞」の受賞をきっかけに、注文が急増した『三代目千代谷』。テレビ局やスタジオへの配達はもちろん、イベントで一日600食を届けることも。
浅井さんいわく「メインのおいしさだけじゃなく、この副菜の組み合わせが忘れられなくて……」とリピートする人も多いとのこと。
今後は、ご飯の上におかずをのせた「のっけ弁当シリーズ」など新たなお弁当の開発も進んでいます。炭火の香り、副菜の多彩さ、そして『三代目千代谷』の遊び心が、新たな形で表現されていきます。
炭火の煙の向こうに見えるのは、ただのお弁当ではなく、料理人たちの情熱と誠実さ。
“お弁当”という枠を超えて、現場に力を与える存在へと進化している 『三代目千代谷』。その一箱を手にしたとき、食べることは、“生きる活力”そのものだと教えてくれます。

『三代目千代谷』について

『三代目千代谷』の自慢は、なんといっても炭火焼ならではの奥深い味わい。

炭火の遠赤外線効果で、余計な水分を逃さず表面は香ばしくパリッと、中はふっくら柔らかく焼き上げています。食材の旨味をぎゅっと閉じ込められたおかずは、ひとくち噛むほどに炭火ならではの芳ばしさが広がり、食欲がふくらみます。

シンプルでありながら奥行きのある味わいを、ぜひお弁当でご堪能ください。

https://chiyotani.com/