『横浜の伊勢佐木と聞くと“ディープでカオスな街”というイメージがあると思うんだよね。でも、通りを一本中に入ると、多国籍でいろいろなカルチャーが混じっていて、ディープだけど斬新な世界が広がっているんだ。そんな僕の大好きな街をお弁当でも再現したくて洋食喫茶イセザキのブランドを作ったんだ』
そう話すのは、71年続くお弁当屋の3代目社長渡邉さん。
飲食の道で49年間のベテラン職人に、洋食喫茶イセザキの魅力をインタビューしたところ、家族への愛情や斬新なこだわりが見えてきました。
目次
「大好きな祖父のハヤシライスを現代にも伝えたい」今と昔のカルチャーがミックスされた横浜・伊勢佐木のお弁当
インタビューに答えてくれた渡邉さんは71年続く弁当屋の3代目。4ブランドの屋号を手がけるお弁当のプロの渡邉さんは、生まれた時からお弁当と一緒に育ってきました。そんな食に精通している渡邉さんの一番好きな食べ物は、大好きだった祖父がつくるハヤシライスだそうです。
祖父お手製のハヤシライスは、どこか懐かしく繊細な味つけだったのだとか。
「自分が幼いときに食べたハヤシライスをお弁当でも再現できたらお客様も喜んでくれるんじゃないか」そんな思いから、ハヤシライスが入りのお弁当をつくることを決めたそうです。
ソースが2種類入ったお弁当。斬新な仕立ての裏に隠された、祖父への“感謝”
プライベートでも毎晩自炊をしているという渡邉さん。得意料理はトマトソースを使ったパスタはプロ顔負けなんだとか。
そんな料理が大好きな渡邉さんは次のように語ります。
『僕の得意なトマトソースとハヤシライスソースを1度に食べられるお弁当を作ったら、祖父もきっと喜んでくれるはず。古いようで新しい“ポストモダン”な世界観をお客様に感じてもらいたい』と思ったんですよ。
こうしてトマトソースとハヤシライスソースが一度に楽しめる洋食喫茶イセザキならではの仕立てが生まれたのです。
お弁当のコンセプトは「セピア色」。洋食喫茶イセザキに隠されたあるメッセージとは
洋食喫茶イセザキのコンセプトは「懐かしさ」。洋食喫茶イセザキがお弁当を通して再現するのは昭和の喫茶店でランチを食べるような、どこか懐かしい雰囲気。
渡邉さんは懐かしさを「セピア色」と表現しています。ご家族や大切な人と撮った写真のような「ほのかな記憶」を思い出してもらうことをテーマにしているそうです。
たとえば、お弁当を食べた方が「そういえば、母親がつくってくれた卵焼きは甘かったよなぁ。夕食がハヤシライスの日は真っ直ぐ家に帰ったよね」など昔の思い出に浸りほっこりとした気持ちになってもらいたいとのこと。
お弁当を食べて昭和にタイムスリップしたような時間を過ごしてほしいから、お店は「洋食屋」ではなくあえて「洋食喫茶」と名付けました
お弁当は食べたら終わりだけど“楽しい記憶”は一生モノ。洋食喫茶イセザキが目指す世界観
さらに渡邉さんはこう語ります。
『お弁当を食べたお客様から今日のお弁当おいしかった!と言っていただくこともうれしいです。でもそれ以上にうれしいのが、お弁当を囲むことでお客様のなかで会話が生まれることですね』
特に働かれている方は、限られた休憩時間にいつも同じメンバーで食事をすることが多いはず。ランチの時間くらいは食の話題で盛り上がり、その場が和むきっかけになるお弁当づくりを目指しています。
「ナポリタンとお味噌汁!?」洋食喫茶イセザキのお弁当には会話が弾む仕掛けが盛りだくさん
洋食喫茶イセザキのお弁当をよく見てみると、懐かしさを感じる仕立てになっています。
たとえばナポリタン。給食のおかずとして出されていたり、家で食べるときは味噌汁と一緒に食卓に並んでいたり。みなさんそれぞれの思い出がつまったメニューのひと一つではないでしょうか。
そのほかにも、家庭料理の定番のポークチャップや、鮭のソテーなど、お母さんがつくった料理のような、どこか懐かしさを感じるメインを楽しめます。
食べなじみのあるほっこりとした家庭料理を入れつつも、お弁当としての特別感を出すために、ソースはすべて自家製なのが洋食喫茶イセザキ流。タルタルソースもゆで卵を茹でるところから手づくりです。
余談ですが、実はもともと茹で卵が苦手だった渡邉さん。おじいさんのレシピを再現しながら鮭のソテーに合うタルタルソースを研究していく過程で、茹で卵嫌いを克服したそうです。
今でも毎朝ソースを手作りし、おじいさんから引き継いだ味を残し続けています。
「お弁当がおいしくなりすぎないように気をつけている」その理由とは?
「あえて100点ではなく、85点のおいしさを心掛けています。」と話す渡邉さん。ここまでお読みいただいた方は「え、なんで?」と思うかもしれません。
その理由は、おいしさをつくるのは、味はもちろんのこと、誰と食べたか、どんな場所で食べたかも大事だから。
おいしさは雰囲気、食べるロケーション、誰と食べたか、その日の体調など相対的な要素が重なって重なって生まれるもの。
加えて、大量発注もいただくから、全員が無難に楽しんでもらえる味付けで、幹事さんも安心してみんなに出せるお弁当づくりを意識しているそうです。
加えて法人向けのデリバリー弁当は1回の注文で10食、20食、多いときで数千食お弁当を提供します。すべての人のオーダー通りに通りに作ることは難しいので、みんなに喜んでもらえて幹事さんが安心して出せる味付けを意識しているそうです。
お弁当の見た目は「店作り」だ
お弁当屋の家系に生まれてから今日まで、ひたすらお弁当と向き合ってきた渡邉さん。渡邉さんにお弁当を作るとき、どんなことをイメージしているのか聞いたところ次のような答えが返ってきました。
レストランとデリバリー弁当の違いのひとつに、情報量の差があると思います。
レストランは空間や音楽、接客などの情報を知れるのに対して、
デリバリー弁当を頼んだときは幹事さんだけ。今はWebや電話での注文がほとんどなので、その幹事さんですら、お弁当を通してしかお店の雰囲気がわからないんですよね。
だから、お弁当梱包や盛り付けの部分が飲食店における店作りだと思っています。洋食喫茶イセザキのお弁当を食べた喫食者の方が「え!何このお弁当!え!何このお弁当!なんだか丁寧で懐かしい感じがする」と思ってもらえることを常にイメージして作っていますね。
洋食喫茶イセザキのご注文・ご予約はくるめし弁当で
・ゲストに懐かしい気持ちになってもらいたい
・休憩時間にリラックスした空気をつくりたい
・今日のお弁当よかったよ!とゲストに喜んでもらいたい
そのようなシーンで洋食喫茶イセザキのお弁当は大活躍です。
洋食喫茶イセザキのご注文・ご予約はこちら
https://www.kurumesi-bentou.com/yousyokukissa_isezaki/