顔の見えないお客さまのために。妥協しない職人のまごころ光る『赤坂 繁』のお弁当

「焼き魚が専門店くらいのおいしさだった。品質の良い魚を使っているのだと食べて実感できた」

と、くるめし内でも評判を呼ぶ弁当店があります。その名は『赤坂 繫』。

「具材はシンプルですが、鮭も唐揚げも大きくボリューム満点」「主食と主菜がおいしいのはもちろんのこと、だし巻き玉子や昆布煮など、副菜も仕出し弁当とは思えないおいしさ」など、お客さんから高評価の口コミが耐えない名店です。

そんな『赤坂 繫』の料理長を務めるのは元寿司職人の植草龍一さん。コロナ禍に立ち上げ、今では1日200食も売れるほどの繁盛店となった人気の秘密に迫ります!

旬と彩りを大切にした『赤坂 繁』のこだわり

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植草さんが『赤坂 繁』のお弁当に詰めるこだわりは「旬」と「彩り」です。

日々忙しく生活している現代の人々は、季節ごとの食材の美味しさを楽しむ機会が少なくなっていて少し寂しく感じるという植草さん。

「お弁当を通じて四季の豊かさを感じてもらいたい」という想いから、季節の食材をふんだんに取り入れたお弁当づくりに励んでいます。中でも季節の炊き込みご飯が入ったお弁当は『赤坂 繁』の定番。多くのお客様から支持を得ています。

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2024年12月の取材時のお弁当には山菜の炊き込みご飯が詰められていました

そして、お弁当に欠かせないのが「彩り」。植草さんの目指す「彩り」は、いわゆる“映え”を狙ったものではありません。日本人ならではの感性を大切にし、お弁当を開けた瞬間にどこかほっとした気持ちになったり、趣を感じられるような美しさを目指し、一つひとつ丁寧に仕上げます。

季節を感じる、こだわりのお弁当を実食!

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春はたけのこ、白海老の炊き込みご飯など、旬と彩りを大切にしている『赤坂 繁』のお弁当を実際にいただきました。

『季節食材の炊き込み御飯~鰆の西京焼き~』(税込1,300円)はその名の通り、大きな鰆が蓋を開けた瞬間、目を引くお弁当です。メインの鰆の西京焼きを一口頬張ると、上品でやさしい味わいの中にしっかりとした魚の旨みが口いっぱいに広がります。

また、当店自慢のふわっとした食感のだし巻き玉子にはほどよい甘みがあり、心地よいアクセントに。。一つのお弁当に込められた味わいの調和が、最後の一口まで飽きることなく楽しませてくれます。

『季節食材の炊き込み御飯~厳選若鶏の塩麹焼き〜』(税込1,300円)はシンプルながらも素材の美味しさを存分に味わうことのできるお弁当。じっくりと塩麹に漬け込みこんがりするまで焼いた若鶏は、噛んだ瞬間に鶏肉の旨味を感じられます。

植草さんこだわりの彩り豊かな副菜も目を引くポイント。先述のだし巻き玉子にくわえ、濃厚な昆布の佃煮や、さっぱりとした小松菜のおひたしなど、一つひとつ丁寧に作られたことがうかがえる副菜のおかげで、最後の一口まで飽きることなく楽しめます。

どのお弁当にも植草さんのこだわり「旬」と「彩り」が詰まっていました。

どこまでも妥協しない職人のまごころを込めたお弁当

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『赤坂 繁』には、お客様が喜んでいただけるよう心がけていることが他にもあります。それは、食材の大きさや切り方など細かな調理工程です。

同じお弁当でも、食材の大きさの違いにがっかりしてしまったことがある方もいらっしゃるかと思います。『赤坂 繁』のお弁当では、リピートしてくださったお客様や、社内・部内で一緒に同じお弁当を食べる方がそのような想いをしないよう、細かな点まで配慮し丁寧に作り上げています。

そうして出来上がった料理を「見て嬉しくなるお弁当」になるよう盛り付け『赤坂 繁』のお弁当はできあがるのです。植草さんは、こう語ります。

「手を抜こうと思ったら抜けるけれど、したくないんです。僕らはお弁当を1日で200食作ることもあるのですが、その中でたった1つだけ手を抜いたとします。その200分の1個を引いたお客さまにとっては目の前のお弁当が1分の1個になるんです。

僕らが手を抜いたぶん、嫌な思いをする人が出る。 人間がつくる以上ミスは起きてしまいますが、できる限りおいしく届けたいんです。ミスをどれだけ0に近づけられるか工夫していて、従業員にも指導しています」

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もちろん、食材の調理方法にも一切妥協はありません。

お弁当は、出来立てではなく、少し時間が経ってから召しあがることがほとんどです。そうなると、どうしても硬くなったり、パサパサしたり、食感や味わいが変わってしまう可能性も……。そのため、あらかじめそれらの可能性を考慮し、じっくり時間をかけて弱火で加熱したり、ご飯も食べるタイミングでちょうどいい硬さになるよう少し柔らかめに炊き上げています。

実際に筆者が鰆を食べたときも、調理から2時間経っていたにもかかわらず、魚のふっくらとした柔らかさや、ご飯のもちっとした絶妙な食感に驚かされました。

「顔の見えないお客さまのために」職人のまごころの理由

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どうしてそこまで丁寧に、まごころ込めた弁当づくりができるのかとお聞きすると「お弁当は召しあがっているお客様の顔が見えず、どのような反応かも確認することができません。だからこそ、お弁当を食べたときに喜んでもらえるよう、見えないお客様を想って精一杯努力をしたいと思うのです」と語ってくれました。

植草さんは、寿司職人として働いていた際、魚の切り方やシャリの握り具合など、寿司の握り方一つで味が大きく変わることを知って驚いたそうです。その経験から、丁寧さと工夫で、おいしいお弁当をつくることに情熱を注いでいます。

「高級な食材を使えばおいしい料理・お弁当ができるのは当たり前です。ただ、私は料理人として調理法を工夫してお求めやすい価格で、おいしいお弁当をお届けするため、妥協せず1品1品こだわりたいんです」と話しながら丁寧にお弁当をつくっていました。

実際の調理で見えた、最後まで丁寧な姿勢

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職人のこだわりが見えるだし巻き玉子作り。『赤坂 繁』のだし巻き玉子は、植草さんの鮮やかかつ丁寧な手さばきで作り上げられます。

美しさとおいしさの秘訣はこまめに油をしきなおすこと。最初に火を入れてから、卵液を注ぐ前には油を少量敷き、しっかりと火を入れ温めます。そうすることで卵液にも均等に熱が伝わり、焦げたり、フライパンについてしまったりすることもなく綺麗に焼き上がります。その工程を繰り返してゆっくり丁寧に層を重ねていきます。

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出来上がったのは、湯気が立ち上る焼きたてのだし巻き玉子。ふっくらとした厚み、見るからに柔らかそうなきめ細やかな表面、焼き色の美しさ……それらすべてが職人の技を物語ります。

箸を入れれば、ふわっと柔らかく、口に運ぶとしっとりとした食感とやさしい甘みが広がるだし巻き玉子――筆者はこの写真を見て、もう一度『赤坂 繁』のお弁当が食べたくてたまらなくなりました!

『赤坂 繁』のご注文・ご予約はくるめしで

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旬の食材を使ってじっくり丁寧に作られた料理の数々を、彩りにもこだわりながらひと折りに仕上げた『赤坂 繁』のお弁当。

蓋を開けた瞬間から食べ終わるまで、思わず頬が緩んでしまう優しく思いやりにあふれた味を、ぜひ一度ご賞味ください。

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