埼玉で驚異の大ヒット!冷めた方が味が深まる炭火焼き干物弁当。越谷八十吉

埼玉県越谷市東越谷。東越谷駅から1キロ離れた大通り沿いに、炭火焼き干物専門店がある。その名も越谷八十吉(やそきち)。
今でこそ越谷で有名店な越谷八十吉ですが、その裏には数々の挫折と苦労が隠れている。

今日は、越谷八十吉のオーナーと料理長に「なぜ干物を始めたのか?」「どうやって人気店になったのか?」その秘密についてたっぷりと伺いました。

ミシュラン三つ星シェフから学ぶ“モダンスパニッシュ”

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初めまして、越谷八十吉で料理長をしています松山(まつやま)と申します。
私は世界一予約が取れないレストラン。エル・ブジ(El Bulli)で腕を磨いたシェフ「山田 チカラ」の元でモダンスパニッシュ職人として修行を重ね、分子ガストロノミーを用いた独創的なフュージョン料理を学びました。

ちなみに、山田チカラはJALのビジネスクラスの機内食を監修するほど料理業界では名高い男です。
その影響で私も堺正章さん主演の「新チューボーですよ」という番組で「未来の料理の巨匠」としてテレビにも出演させてもらいました。

出張料理人のサキガケ

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スパニッシュレストランで修行を重ねた後、企業の社長さんやいわゆる富裕層の方をターゲットに、自宅に出向いて料理を作る「出張シェフ」として活動しました。今でこそ出張シェフのサービスは増えていますが、当時は珍しく瞬く間にクチコミで話題になりました。

ケータリングと出張シェフの大きな違いは料理の鮮度。
通常のケータリングは、すでに調理されたものをご自宅に持って行き再加熱するのに対して、出張料理は、スーパーに買い物に行くところから始まります。

レストラン以上にお客様との接点があるので気を使いますが、その分「美味しかったです!」と、お客様からいただく感謝も大きいので非常にやりがいがありましたね。


そんな順風満帆に見えた私の料理人生ですが、ここからどん底に落とされたのです。

いざ独立!越谷の物件との出会い

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そこから代表の石渡も加わり、飲食店コンサルティングとして独立しました。飲食店コンサルをしていると、様々な情報が入ってきます。ご支援させていただく事はやりがいもあったのですが、現場で日々奮闘されている飲食店さんをみていると、自分たちでもお店を持ちたい!と言う思いがフツフツと湧いてきました。


そこで、越谷の物件にタイミング良く出会い越谷で飲食店を始めることを決意。まだ何をやるか決まらずに先に物件だけを押さえたのです。

そうだ!越谷に銀座の干物を輸入しよう


「うーん、なんのお店をやろうかな」私も石渡も飲食経験は長いので、一通りお店は展開できる自信はありました。その中でふと思いついたのが「干物」。

越谷で干物屋をやろうと思った理由は2つ。

1つ目は、一緒に独立した人が、昔銀座で1日200名入る干物のお店で働いていました。その知見もあったので「銀座で人気の干物を同じクオリティで越谷に出したら繁盛するのでは?」と思ったこと。
2つ目は、当時の越谷は年配の方も多く干物のニーズがありそうと思ったこと。

これらの理由から、炭火焼き干物専門店としてお店をオープン。ですがこの後思わぬ事態が待っていました。



衝撃の事実。越谷で干物は流行らない

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自信満々で干物屋をオープンしたものの、お客さんは一向に来ません。来たとしても「生魚無いの?」「サーモンが食べたい」など、干物は全然選ばれません。

「なんで干物が売れないんだろう?」そう疑問に思いスーパーに行くと、都内に比べると明らかに鮮魚コーナーが小さく、もしかして越谷では魚が受け入れられないのでは?と言う結論に達しました。

でも不思議な事に、越谷の方が都内に行くときはみんな新しいものを食べる傾向があるのです。事実、繁盛していた銀座の干物屋もお客様の大半は郊外から来た人。

「この差ってなんだろう」と、私達なりに考えたところ、地元では慣れ親しんだものを食べたいと言うニーズがあることに気がついたのです。


寝ずに魚を仕入れる毎日

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「そうか、お客様が食べたいものを出さないと繁盛しないんだ」そう反省した私たちは、朝方に店を閉めて、そこから3時間かけて千葉の館山の漁港に足を運び新鮮な魚を仕入れました。

運よく館山の漁港では高級魚と言われる「ツボダイ」が手に入ったので、交渉の末手頃な価格で仕入れる事に大成功。

「その日に仕れた生魚をお客様の前で捌いて提供したら絶対に喜んでもらえる!」そう思い、ウキウキしながらお客様に接客したものの「あ、大丈夫です」と一向にオーダーされません。挙句の果てにはマグロが食べたいと言われ、スーパーでお刺身を買って出したことも…。

なんでこんなに美味しいのに、食べてもらえないんだろう。時には苛立ちを感じながらも、メニュー数を増やしては絞り、増やしては絞りの繰り返しで10年間悪戦苦闘する日々が続きました。

越谷に少しずつ根付く干物文化

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こうした努力も少しづつ花開き、今ではうちでしか焼き魚を食べない人や、デートで干物を食べに来るカップルなど常連さんにも恵まれました。

このカップルの彼氏は魚が苦手だったそうなのですが、彼女に連れられてお店に来たところ、魚の美味しさに気づき、今では定番のデートコースになっているようです。


もちろん、お客様にご満足していただくため、味にもかなりこだわっています。築地で仕入れた新鮮な鮮魚をオーダーが入ってから1匹ずつ丁寧に炭火で焼くので、香りが高いだけでなくご飯にもあう絶品の干物をお楽しみいただけます。

冷めても美味しい!越谷八十吉の炭火焼き

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炭火で魚を焼き続けている時に気づいたのが、炭火で焼いた干物や焼き魚は冷めても味が落ちないということ。冷めても美味しかったらお弁当とも相性が良いのでは?!お客様にも喜んでいただけると確信し、お弁当事業にも力を入れました。



社長が自ら営業して商品開発

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「もう失敗できない!」これまで暗黒の10年を過ごして来た私たちだったので、お弁当の商品開発はかなり力を入れました。まず、社長がロケやイベントの現場にお弁当を配達し、現場のADさんの声に耳を傾けました。

すると分かったのが、干物よりも漬け魚の方が人気と言う事実。そこから漬け魚のラインアップを増やしていったのです。


魚だけじゃない!お肉も自慢の越谷八十吉

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越谷八十吉の自慢は魚だけでなく、お肉にもこだわっています。定番の唐揚げは、お店で出しているものをお弁当用に何度も試作を重ね、冷めても美味しくスパイシーでパンチが効いた味付けに。ボリュームも意識しております。



秘伝のタレを使った鶏の濃厚たれ焼弁当

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隠れ人気なのが「鶏の濃厚たれ焼き弁当」。このお弁当が誕生したきっかけは10年前の花火大会での屋台。炭火で焼いた焼き鶏が好評だったので、タレを10年間継ぎ足し秘伝のタレがついに完成しました。


鶏の濃厚たれ焼弁当は炭火で鶏肉を焼いた後に、秘伝のタレにザブンと潜らせます。そうすることで、鶏肉から出た脂が肉汁と一緒にタレに絡まり絶妙な味に仕上がるのです。



越谷八十吉のお弁当はくるめし弁当で

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・ゲストに美味しい魚を食べてもらいたい
・健康的な和食を探している
・今日のお弁当おいしかったよ!って褒めてもらいたい

越谷八十吉は、ロケはもちろん会議やちょっとした集まりで話題になるお弁当です。ぜひ一度ご賞味ください。


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