神奈川県藤沢市善行。駅から徒歩3分の大通り沿いに、お客様の大半が県外から車で来店するという大人気の海鮮丼屋がある。その名も「大漁丼屋 藤沢善行店」。
寿司屋で18年間にわたり厳しい修行を重ねた店主・親松さんは、2022年12月「竜宮庵(りゅうぐうあん)」という屋号名で法人向けにお弁当のデリバリー事業をスタートさせました。
親松さん店主がつくる海鮮弁当は、味はもちろんのこと、その美しさとボリュームからも多くの人をトリコにしています。
今日はそんな魚のことを知り尽くした親松さんに、神奈川県で爆発的な人気を誇るお弁当の秘密と、知っているだけで楽しくなるマグロネタを語っていただきました。
目次
- 1 お店の前が道路工事で営業ができない、逆境を乗り越えて見つけた“法人向けデリバリー”の道筋
- 2 海鮮丼の強みを活かして誕生!働く人の胃袋をつかむ海の幸たっぷり海鮮弁当
- 3 「写真よりもキレイに」がスローガン!盛付けに職人のプライドが光ります
- 4 あきたこまちを贅沢に使用した、竜宮庵こだわりのごはん
- 5 神奈川で最も魚を知り尽くした店主が愛情込めて作るお弁当
- 6 直接お客様と関わる仕事がしたい!18年務めた寿司屋を退社して独立
- 7 まるで海の宝石箱!竜宮庵のお弁当をいざ実食
- 8 6万5280キロのマグロを捌いた職人が教える!知られざるマグロの世界
- 9 マグロの味の決め手は解凍方法
- 10 同じ業者や産地でも違うマグロの世界
- 11 マグロの鮮度の決め手となる「縄漁船」
- 12 マグロ船員によっても異なるマグロの味
- 13 竜宮庵のご予約・ご注文はくるめし弁当で
お店の前が道路工事で営業ができない、逆境を乗り越えて見つけた“法人向けデリバリー”の道筋
寿司屋で30年の修行を重ね、今では「神奈川県一マグロ通」と評される店主の親松さんが作る海鮮丼は、味、ボリューム、価格のすべてが絶妙でお客様の心を鷲掴み。そのため、リピーターが後を絶たず午後には売り切れになってしまう日も少なくないのだとか。
テイクアウト専門である『大漁丼屋 藤沢善行店』は、ある日を境に客足がパッタリと途絶えてしまった過去がありました。
その理由は、お店の前の道路工事。
藤沢善行店のお客様の大半が県外から車で来店されていたため、道路工事の影響でお客様の足が遠のいてしまったのです。
「このままじゃいかん!テイクアウト以外の方法は無いものだろうか?」
テイクアウト以外の新たな販路を模索した親松さんは2022年12月、「竜宮庵(りゅうぐうあん)」という屋号で法人向けのデリバリー事業を2022年12月からスタートしました。
そして、竜宮庵はデリバリー事業を開始するやいなや、たった1ヶ月で法人からのオーダーが殺到する超人気店になったのです。
事業をスタートしてからたったの1ヶ月で爆発的な人気を集めた秘訣を親松さんに伺ったところ、親松さんのお弁当に対する熱意とこだわりがありました。
海鮮丼の強みを活かして誕生!働く人の胃袋をつかむ海の幸たっぷり海鮮弁当
買ってすぐに食べるテイクアウト弁当とは異なり、会議やイベントの合間など納品されてから数時間後に食べられることも多い法人向けのデリバリー弁当。
法人向けデリバリー弁当は、会議やイベントの合間など納品されてから数時間後に喫食されるケースも多くあります。
当初、親松さんはお店自慢のマグロをお弁当に入れようと考えていました。しかしマグロは時間が経過するにつれ、色が黒くなってしまいます。
そこで親松さんはマグロは使用せず、大量漁丼屋の海鮮丼のなかでも特に人気の「チラシ寿司」をメインにした献立を考案しました。
「自慢のチラシ寿司をお腹いっぱい食べてもらいたい」そんな想いのから、ご飯のボリュームは250g!大手牛丼チェーン店のご飯と同量のボリュームにしました。
そして、海鮮弁当のポイントはチラシ寿司だけではありません。彩り豊かな副菜も詰め込んだお重を重ねた二段弁当は、まるで玉手箱。
そんな竜宮庵の副菜は焼き物や煮物がメイン。揚げ物は入っていないため、あっさりとしています。
「テイクアウトとは異なり、法人向けのお弁当は一度に数十人の方が召し上がります。若い方からご年配の方まで、幅広い年齢層に喜んでいただけるような仕立て、今のお弁当が誕生しました。
幹事さんから『今日のお弁当よかったよ』という言葉がモチベーションになっています。
と親松さんが語っていたのが印象的でした。
「写真よりもキレイに」がスローガン!盛付けに職人のプライドが光ります
竜宮庵のこだわりは、ご飯のボリュームやあっさりとした味のバランスの仕立てだけはありません。美しいお弁当の裏側には、元寿司職人ならでは親松さんのこだわりが隠れています。
「お弁当を選ぶとき、多くのお客様がメニューの写真を見て、『あ!このお弁当おいしそう!』と感じて注文されると思います。竜宮庵ではそのように『おいしそう!』と感じてくださったお客様の期待値を常に超えるお弁当をお届けしたいので、“写真よりも良いもの”に仕上げることを意識していますね。
一つひとつの盛り付けを丁寧にすることはもちろん、蓋を閉める前に最終確認をしたり、配達中にずれないようにびっしりと盛り付けるなどお客様に目でも喜んでいただけるような工夫をしています。
美しいお弁当の裏側には、元寿司職人の親松さんならではのこだわりが隠れていました。
あきたこまちを贅沢に使用した、竜宮庵こだわりのごはん
竜宮庵のお米は、店主の親松さんがみずから厳選した「あきたこまち」を使用しています。
さっぱりとしたおかずに合うお米を探し続けたところ、あきたこまちに出会ったそうです。
冷めてもふっくらもちもちした特徴があるあきたこまちは、お弁当に適しているんだとか。
炊き立てのご飯を桶に入れて、大きなしゃもじでお酢と混ぜ合わせながら仕上げるチラシ寿司の酢飯。
寿司屋出身の親松さんがつくる酢飯からは、フワっと香るお酢の香りが、竜宮庵のお弁当のおいしさを際立せてます。
神奈川で最も魚を知り尽くした店主が愛情込めて作るお弁当
職人魂がいたるところにキラリと光る親松さん。これまでの経歴を伺ったところ親松さんの食に対する想いがさらに伝わってきました。
元々は喫茶店で働いていたという親松さんは、調理や接客経験を通じて、「もっとお客様に喜んでもらいたい」と思うようになったそうです。
新しい世界に飛び込みたいと思った親松さんは「料理をゼロから学ぶなら、厳しい環境で修行したほうが自分のためになる」と思い、料理業界のなかでも一番厳しく「繊細だ」といわれる寿司屋を選びました。
直接お客様と関わる仕事がしたい!18年務めた寿司屋を退社して独立
親松さんが18年勤務した寿司屋は、都内を中心に数十店舗展開する大人気店。そのため職人として寿司を握るだけでなく、職人の育成やマネジメントなど仕事内容は多岐にわたったそうです。
すべての部署を経験するなかで、親松さんは管理業務よりもお客様においしい寿司を握って出すほうにやりがいを感じたのだとか。
竜宮庵:親松さん
独立した理由を親松さんはこう語ります。
僕は目の前のお客様に喜んでもらえるときにやりがいを感じるので、現場で寿司を握るときが一番ワクワクすることに気がつきました。そこで直接お客様と関われるお店を作りたいと思って独立しました。
まるで海の宝石箱!竜宮庵のお弁当をいざ実食
それでは、親松さんの自信作!竜宮庵のお弁当をいただきます。
まるで海の宝石箱!
食べるのがもったいないほど美しい竜宮庵のお弁当です。
ご飯が見えないくらいぎっしりと敷き詰められた海鮮バラちらし。
豪華食材に思わず笑みがこぼれました。
ふっくらご飯と海の幸が一度に楽しめ、一口食べただけで幸せが口いっぱいに広がります。ボリュームたっぷりですが、あっさりとしているので罪悪感はゼロ。
また、副菜も野菜たっぷりでバランスも最高です。おもてなしに持ってこいの一品だと感じました。
6万5280キロのマグロを捌いた職人が教える!知られざるマグロの世界
ここからは、知ってるだけでマグロを楽しめる、マグロのうんちくをご紹介します。
寿司屋で18年間働いたなかで、6万㎏以上のマグロを捌いた親松さんだから話せる内容です。
マグロの味の決め手は解凍方法
みなさんは、マグロは解凍方法によって味に差が出ることをご存知でしたでしょうか?
冷凍マグロの表面を洗って常温で解凍したり、氷水に浸したり海水に近い濃度の水で解凍したり、電解水で解凍したり……..とマグロの解凍方法はさまざまです。
親松さんいわく、マグロの状態によって解凍方法を見極めることがおいしさの秘密なのだとか。
また、マグロは解凍したてよりも1日寝かしたほうが味が良くなります。
解凍した12時間後から分泌されるうま味成分である「アミノ酸」の濃度は、時間が経つにつれて上昇するため半日後が一番おいしい状態だといわれているのです。
スーパーなどでまれに見かける色が黒いマグロは、アミノ酸が詰まっている証。
見た目は気になりますが、味には問題ありません。
しかし、「マグロは目で食べる」という言葉があるように、いくら味がよくても、色が黒ずんでしまっていたらその見た目からおいしくないと判断されてしまいます。そのため竜宮庵ではマグロを使用したお弁当は、店頭で受け渡しをするテイクアウト限定にしているそうです。
同じ業者や産地でも違うマグロの世界
まだまだ奥が深いマグロの世界。仕入れ業者や産地が同じでも味はまったく異なります。
たとえば同じメバチマグロでも、脂が乗っているものから、あっさりしているものまで、その特徴はさまざまです。
親松さんはそんなマグロの状態をすべて計算して、解凍方法や解凍時間を導き出しているそうです。
マグロの鮮度の決め手となる「縄漁船」
ここからは、マグロ漁の話になります。
一番主流なマグロ漁獲法のひとつに「延縄(はえなわ)漁」と呼ばれるものがあります。
延縄漁とは、針にエサをつけたものを縄にたくさんくくりつけ、海中に吊るしてマグロを捕るやり方のこと。エサに食いついたマグロだけを釣り上げることができるので、生態系にも優しいとのことから、生態系にもやさしい日本の伝統漁法です。
投網される縄の長さは150km~200km、針の本数は2,500~3,000本と一度に大量の仕掛けを投入します。
そのため、同じ海でとれたマグロでも、縄を入れてすぐに引っかかったマグロと、引き上げる直前に引っかかったマグロでは、鮮度にばらつきが出てしまうのです。
マグロ船員によっても異なるマグロの味
さらに、マグロを引き上げる船員によっても、マグロの味は異なるそうです。
マグロを水上げしたあとは、船上で「血抜き」と呼ばれる魚を締める作業を船の上で行います。こで「いかに丁寧に血抜きをするか」が鮮度に大きな影響を与えるのです。
親松さんいわく、ときにはマグロに血が染み付いていたり、表面が傷ついている場合は、締め作業が雑なんだとか。
このように同じ種類のマグロでも、採れる場所、餌に食いついて引き上げるまでの時間、血抜き作業の丁寧さによって鮮度や味が大きく異なってくるのです。
これまでに6万㎏以上のマグロを捌いてきた親松さんがキラキラとした目でマグロの話をされていたのが印象的でした。
今日のお話が飲食店や居酒屋でマグロを食べるとき「このマグロはどんな解凍方法なんだろう?」とマグロのことを考えるきっかけになるとうれしいです。
竜宮庵のご予約・ご注文はくるめし弁当で
・若い方から年配の方まで楽しめるお弁当を探している
・差し入れやおもてなしで失敗したくない
・味もボリュームも妥協したくない
そのようなシチュエーションで竜宮庵のお弁当は大活躍です。
竜宮庵のお弁当のご注文、ご予約はこちら
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