都電荒川線の終点「三ノ輪橋駅」を降りると、どこか懐かしい雰囲気の商店街がある。そんな荒川区のジョイフル三ノ輪商店街に2022年7月にオープンしたのが、テイクアウト惣菜「ベジ365」。
ビビットな黄色い看板が特徴のベジ365は、野菜たっぷりの手作り惣菜が楽しめると地元で話題のお店です。
それもそのはず。ベジ365のお弁当は、広尾にあるそば割烹「こうもと」の料理長がすべて手作りしています。主役の野菜は市場や八百屋を通さずに農家さんから直接仕入れているので、鮮度が格段に高く旨味と甘味が濃縮されているのだとか。
今回はベジ365の店主、関澤(せきざわ)さんに“野菜”にこだわる理由と、お弁当に対する想いをたっぷりと伺いました。
目次
生産者さんから直接仕入れ!とれたて野菜を15種類使用したお弁当
野菜が自慢のベジ365のお弁当。
ベジ365で使用する野菜は市場や八百屋を通さずに直接農家さんから仕入れています。
毎週店主みずから横浜の農家さんの元へ野菜をとりに行きお弁当やお惣菜に使用しているそうです。
市場やスーパーに並んでいる野菜は、流通するまで1〜2週間かかるのに対し、関澤さんが使う野菜は畑でとれてから3日以内のもの。そのため鮮度が格段に違います。
高級料亭『こうもと』の料理長の魔法にかかった野菜はさらにおいしく。200グラム野菜がとれるベジ365のお弁当
ベジ365のこだわりは新鮮な野菜だけではありません。使用する野菜の量にも自信があります。忙しい現代人に野菜をたっぷり食べてほしいという思いのもと、お弁当に使う野菜はおよそ200グラム。
それぞれの野菜の味を引き立たせるために、料理ごとに味を変えているのが特徴です。副菜のトマトひとつとっても赤じそ風味のトマトマリネにするなど、細部にわたり料理人の腕が光ります。
炊き込みご飯には、玄米と白米の中間である「五分精米」を使用しています。
鰹と昆布の出汁で炊き、高知県四万十町産の有機生姜と、長野県産の干しえのきが入っているので、香りと食感も楽しめると評判です。
さらにデラックス弁当には、店頭でも大人気となっている柑橘系の手作りシフォンケーキも入っているので、コース料理感覚で楽しめます。
「農家さんには頭が上がりません!….」生産者の顔が見えるからこそおいしい野菜をみんなに食べてほしい
関澤さんに「なぜお弁当の主役を野菜にしたのか」伺ったところ次のような答えが返ってきました。
『今日植えた野菜が収穫できるのは半年後、長ければ1年後になるんです。農家さんは朝早く起きて、暑い日も寒い日も休まずに野菜を育ててくれています。本当に頭が上がりませんね。それに台風や大雨など天候によって左右されるので、植えたからといっても出荷できる保証もありません。
奇跡のような大切な野菜だからこそ、料理人の腕を活かして消費者に届けていきたいですね。そして、料理やお弁当を通じて野菜の価値を高めて農家さんが幸せになる架け橋になるのが料理人の役目だと思うんです』
関澤さんの言葉から生産者さんへの感謝とリスペクトが伝わってきました。
畑に足を運んでいるからわかる、野菜を育てる大変さ
台風でビニールハウスが潰れたと聞き、仕事が終わった深夜、息子さんを連れて車で農家さんの元にかけつけたこともある関澤さん。ディスカウントストアでビニールシートや水のうを調達し、ビニールハウスの復旧の手助けをしました。
農家さんから感謝されたときの喜びがいまでも忘れられないそうです。
農家さんと何度も顔を合わせている関澤さんだからこそ、アスパラガスは〇〇さん、玉ねぎは〇〇さんというように生産者さんとの関係を大切にしている姿が印象的でした。
“筋の通った仕事”に憧れて和食料理人の道へ
生産者さんとの人間関係を何よりも大切にする関澤さんに、料理の世界に進んだ理由を伺ったところ、『筋の通った“男っぽい仕事”をしたかったんです』という答えが返ってきました。
将来は漁師や職人の世界を夢見ていた関澤さん。
たまたまテレビで見た京都の板前のストーリーが印象に残り、高校時代のアルバイトで飲食の道に進みました。
関澤さんは和食の修行時代をこう語ります。『当時の和食の世界は厳しくて、映画のワンシーンのように包丁が飛んでくることもありました(笑)。でも、時に厳しく、時にやさしくしてくれた親方には、本当に感謝しています』
厳しいながらも関澤さんを支えてくれた親方の存在が、今の関澤さんのルーツとなっているそうです。
野菜を触れるようになったら料理人として一人前
地元長野県の旅館に就職し、和食の基礎を学んだ関澤さん。
その後、魚料理を学ぶために福島や関西で研鑽を積み、日本料理を徹底的に叩き込んだそうです。
その後、長野に戻り山の真ん中にある旅館に転職。長野の旅館は、近くに畑があったので、畑でとれた野菜を使って料理を作っていました。
「とれたての野菜ってこんなにおいしいんだ」と感動した関澤さん。肉や魚は値段もピンキリなので良いものを仕入れたらおいしいものができます。しかし、野菜の値段はそんなに変わりません。
おいしい野菜は、鮮度が鍵となっています。そして、素材が持つ味を生かせるかどうかは料理人の腕が試されると確信したそうです。
それ以来、野菜のトリコになった関澤さん。長野の旅館のあとは野菜をメインに使うレストランに転職し、調理だけではなく野菜の購買やメニュー開発もおこなうようになりました。
関澤さんが勤めていたのは25店舗を展開する大手レストラン。
コロナ前は月間数千万円の野菜を農家さんから仕入れていましたが、新型コロナウイルスをきっかけに客足が遠のき野菜の仕入れは10分の1に減少したそうです。
「生産者さんが作った野菜を消費者に届けたい!」架け橋をつくるため独立し、ベジ365を開業
新型コロナウイルスの打撃を受け、レストランが営業できなくなったときの心境を関澤さんはこう語ります。
『僕たち飲食店の仕入れが減るということは、農家さんにとって、野菜を卸す場所がなくなってしまうことです。僕と農家さんの付き合いが深いこともあって、何か自分でも力になりたいと思ったんですよね』
自分で野菜を仕入れて消費者に届けるための“ツール”がほしいと思った関澤さん。その想いは自分の店がほしいという気持ちにつながり、お弁当事業をスタートすることを決意しました。そして野菜が主役のお弁当「ベジ365」をオープンしたのです。
和食と野菜、そして生産者への熱い想いから生まれた「ベジ365」。お弁当を通して、野菜の魅力に触れてみてはいかがでしょうか。
ベジ365のご注文・ご予約はくるめし弁当で
・女性が多い会議なので野菜中心のお弁当を出したい
・おいしい和食を食べたい
・おもてなし弁当を探している
このようなシチュエーションでベジ365のお弁当は大活躍です。生産者とつながるお弁当をぜひご賞味ください。
ご注文・ご予約はこちら
https://www.kurumesi-bentou.com/beji365/
ベジ365店舗情報
住所:東京都荒川区南千住1-28-8
営業時間:10:30-15:00
定休日:水曜日
SNS:https://www.instagram.com/vege_365/
週替わりのお惣菜やお弁当をお買い求めいただけます。お近くにいらした際は足を運んでみてくださいね。