神奈川県中原区上小田中。武蔵新城駅から徒歩3分のところに店を構える「しましょく」は、地域に根ざしたアットホームなお弁当屋さん。かまどで炊いたご飯や三浦野菜がおいしいと地元の方からも人気の高いしましょく。その魅力についてたっぷり伺ってきました。
目次
おばあちゃんの味を引き継く3代目店主
こんにちは、しましょくの臼田(うすだ)です。私は3代目としてしましょくを切り盛りしております。「シマ食」は今からおよそ50年前、高度経済成長期真っ只中に私の祖母がオープンしました。当時から川崎は工業地帯ということもあり、武蔵新城には団地や独身寮が立ち並んでいました。
戦後の日本の成長を支えた祖母の味
川崎は労働者が多い街なので、祖母は食堂運営をする傍ら、独身寮にお弁当を配達していました。祖母が商売を始めたのは40代の時。独身の労働者にとって、祖母は田舎にいる母のような存在だったそうです。祖母の愛情がこもったお弁当は川崎で働く労働者の胃袋を支えました。働き者の祖母は、食べてくれる方のために、早朝から深夜まで一生懸命働いていました。
それから私の父と母が店を継承し、居酒屋を始めました。
もともと私は大のおばあちゃんっ子。将来はおばあちゃんが作ってくれたお店を継ぎたいなと思っており、小さい時から飲食に興味がありました。高校卒業後は、パティシェ・ダイニングバー・銀座でバーテンダーを経て、3代目として後を継いだのです。
過去最高の売り上げ。そして祖母との別れ
忘れもしない12月の某日。
この日は、近隣の企業様が仕事納めということもあり、団体さんの予約が入っていました。席数25席の居酒屋に30名の団体様。さらに常連さんがカウンターに来店。取引先もひっきりなしに挨拶にお見えになり、店内はてんやわんやな状態です。
その時、私には小さい息子がいたので、夜は店に入れずスタッフに任せていたのですが、手が回らないので、父と母に息子を預け応援に駆けつけました。
ターニングポイントになった1本の電話
お客様にドリンクを提供し、料理をお出ししていると、父から1件の着信がありました。
「預けている息子に何があったかな?」電話に出ると、介護施設で生活している祖母が亡くなったという一報でした。
スタッフに事情を話し、すぐさま施設に向かい、大好きだった祖母とお別れをしました。それから店に戻ると店内はまだ満席。「寂しい」という感情は横に置いて、お客様に良い時間を過ごしていただくために必死で店を回しました。
そして怒涛の営業時間が終了し、片付けと締め作業をしていると、過去最高の売り上げを叩き出していました。「おばあちゃんも仕事を納めちゃったね」と気持ちに整理がついた瞬間でした…。
スタッフは全員女性。ママが作る愛情弁当
祖母との別れをきっかけに、もっと地域の方に貢献ができるお店にしようという気持ちが強くなりました。その中で私に何かできる事はないかな?と考えた時に、ふと頭に浮かんだのは子どものこと。私自身、子育てをしながらお店をやっているので、働くお母さんの「大変さ」が身に染みてわかります。
そのような想いから、産前産後、子育て中のお母さん、地域で働く方にお昼のお弁当を届けるサービスを開始。実際にしましょくで働いてくれるスタッフもママさんばかりでアットホームな環境です。
これぞママの力。1ヶ月で100種類の弁当が誕生
しましょくではロケ弁の他に日替わり弁当もやっており、毎日5〜10種類の日替わりおかずを製造しています。同じメニューだとお客様が飽きてしまうので、様々なメニュー開発をスタッフ全員で行っています。
スタッフのママさんで集まって、お惣菜の試食をしてメニュー開発をしたり、「これ、息子が喜んでいたよ」など何気ない会話の中からいろんなアイデアが湧き上がってきます。
そこで出てきたアイデアを形にするために、レシピの試作を繰り返し、ママさん全員の力が合わさって1つのお弁当ができるのです。
一番の自慢は「かまど炊きご飯」
ママたちの手作りおかずも大人気のしましょくですが、食材にもとことんこだわっています。その1つが「かまどで炊いたご飯」。しましょくの厨房には100キロを超える巨大な釜があります。
釜は関西のかまどを作っている会社さんから特注で取り寄せました。珪藻土(けいそうど)を使っているので保温効果が抜群。炊いたご飯が冷めても美味しく、お弁当に最適です。
もちろんガス釜でも美味しくふっくらとしたご飯を炊くことはできますが、1日に何百食も作るとなると炊きむらができてしまいます。そこで、より美味しさと安定した味を求めてかまどの導入に踏み切りました。
さらに、しましょくでは健康を意識して、16穀入りのごはんをご用意。毎日召し上がっていただいている方が「健康になった!痩せた!」と周囲の町工場の方に宣伝してくれたこともあり、皆様に支えていただきながらお店を経営しています。
※16穀入りのごはんが人気なので、デフォルトが16穀米の仕立てになっていますが、白米に変更することも可能です。
生産者さんの顔が見える三浦野菜を使用
食材はカラダをつくるものだからしっかりとした物を使いたい。という思いから、従業員みんなで実際に生産者さんにお会いして畑を見せていただき、仕入れ先を決めています。その中でも三浦半島の野菜は、川崎から近く土壌も良いので、積極的にお弁当に取り入れています。私たちが本当に良いと思った食材を使い、真心込めて調理しています。
健康は食べる事から。心の元気も応援するしましょくのお弁当
しましょくでは、三浦半島の農家さんから取り寄せた旬の野菜をベースに、見ても楽しいお弁当作りを心がけております。中でも野菜を選ぶときは彩りが綺麗な物をチョイス。彩りが濃い野菜は栄養価も高く新鮮な証拠です。しましょくのお弁当が健康づくりに役立てると嬉しいですね。
次なる挑戦は子ども食堂
しましょくでは次なるステップとして「子ども食堂」の運営を目指しています。働く親が1人の力で子育てをするのは大変です。実際に私もそれを体験してきたからこその共感もあります。また最近は全国的に子どもの孤食も増えており、食べるために働かないといけない親御さんの傍で、寂しい思いをしている子どもたちが多いのも現実。
このような背景からお弁当事業を軸にしながら、地域の子供たちと、そのママパパのためのコミュニティの場を作れたらいいなと思っています。
しましょくのご注文・ご予約はくるめし弁当で
・家庭の味を食べてほっこりしてもらいたい
・忙しいゲストに元気になってもらいたい
・女性が多い集まりなので野菜たっぷりなお弁当を探している
このようなシーンでしましょくのお弁当は大活躍です。
▼ご注文・ご予約はコチラ
https://www.kurumesi-bentou.com/shimashoku/